仲良くなりたい

 ロロノア・ゾロ。懸賞金、一億二千万ベリー。三刀流の剣士。目つきが悪い。いつも腹巻を付けている。全身緑。サンジと仲が悪い。トレーニングか寝ることしかしてない。
 これがゾロについて、ララの知っている情報だ。一味に入ったばかりの頃、姉様話をしようにも、トレーニング中は気が散ると追い出され、昼寝中は話しかけても起きず、一度も話をしてあげたことがない。サンジと付き合っている今は、サンジに、あいつと関わらない方がいいマリモ菌がうつると言われ、あまりゾロの近くに行くことはない。つまり、ララは今までゾロと普通の話をしたことがなく、ゾロがどんな人なのか掴めないでいた。
 同じ仲間なのに、そんなことがあってはいけない。そう思ったララは、ゾロと話す機会をまず作ろうとした。具体的に言うと、皆が揃う昼食の席で、ゾロの隣へ座ったのだった。

ララちゃん!? なんでマリモの隣に座ってるんだい!!?」

 給仕していたサンジが、ムンクのような顔で叫ぶ。皆の視線が集まる中、ララは正直に答えた。

「ゾロとあんまり喋らないから、喋りたいなあと思って」

「なっ!?」

「……おれはお前と話したくねェ。姉貴の話はこりごりだ」

 苦い顔でゾロが言う。

「姉様の話じゃない話がしたいの! 今日もご飯おいしいねとか、絶好の昼寝日和だねとか」

「……なんだそのほのぼのした会話」

ララちゃん、なんでよりによってこいつと……!!」

 ハンカチを噛み締めさめざめと泣いているサンジに、ララは誤解を解く。

「私はみんなのことが知りたいから、ゾロとも話がしたいだけなの」

 そう言うと、そんなことかよ、くだらねェとゾロが呟いた。

「おいクソマリモ、ララちゃんに向かってくだらねェとはなんだ!?」

「てめェが入ってくると面倒くせェからすっこんでろ!!」

「ァア!?」と怒るサンジ(泣いたり怒ったり忙しい人だ)に、ゾロはこれ見よがしにため息をついて、それからこちらを見た。

「……嫌でも一緒に過ごしてんだ。人となりなんて、自然とわかるようになるだろ」

 ゾロの言葉に、それもそうか、とララは納得する。まだ一味に入って二週間。これから先、長い長い船旅になるだろう。何も焦って、今みんなのことを知ろうとしなくてもいいかもしれない。

「そうだよね、徐々に知っていけばいいんだ。私の中のゾロのイメージって、筋肉か寝ることしか考えてない人って感じだけど、違う一面もそのうち見えてくるよね!」

「……いや、たぶん見えてこねェと思うぞ」

「ヨホホホホホ、たしかに!!」

「斬るぞ、てめェら!!」

ララ、昼寝はいいことなのよ。特に植物にとっては」

「ロビン、てめェ……!!」

「あっひゃっひゃっひゃっひゃっ」

「ルフィ、口になんか入れたまま笑うな!! 汚ねェ!!」

 なるほど、ゾロはそういうキャラなのか。一つ勉強になった。これからはどんどん話していこうと、ララは決意したのだった。

「……おい、何考えてやがる。なんか悪寒がするんだが」

「ううん、別に何も!」

20181016
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