裏の逆の外

01/12

 その後も月がテレビ等を見ていないときにキラの裁きは起こった。
 カメラを付けて4日後のある日、ホテルの一室で竜崎と捜査員一同はマホガニーのテーブルを囲った。まず切りだしたのは竜崎だった。

「この五日間の盗聴テープとカメラ映像のビデオを何度も再生し、検証してみました。結論から言わせてもらいます」

 部屋に緊迫した空気が漂った。

「北村家、夜神家の中で怪しい者は……いません。カメラと盗聴器は外します」

「はあー……結局容疑者はいずか……」

 松田が息をつく。

「『レイ=ペンバーの調べてた者』の線はいいと思ったんだがな……」

「山手線のビデオにも誰も映っていなかったしな……」

 だらだらと言う部下たちに、夜神が喝を入れる。

「気を抜くな!! これで捜査は振出しに戻った。もう一度気を引き締め直すんだ」

「勘違いしないでください。映像を観ている限りは怪しい者はいない……と言う意味です」

 竜崎が高価そうなチョコレートを口に入れながら言う。

「えっ?」

「あの中にキラがいたとしてもボロは出しません。いや、何も出さずに今まで通り犯罪者を葬っているという事です」

「……では竜崎、やはりキラはあの中にいると」

「……ですから……」

 竜崎はカチャカチャと音を立てて紅茶を混ぜながら答える。

「5%です」

「しかし、カメラも駄目となるともう一人一人尋問するしか……」

「もしキラがいるなら、尋問してる相手を殺しにかかるだろ」

「だから、前のL、いや竜崎の様にこっちは顔を見せずに取り調べるんです」

「駄目だ。それでもこっちがキラとして疑っている事を、見せてしまうのは危険すぎる」

「確かに。尋問するならある程度の検証を得て、こっちもそれなりの準備をしてからだ」

 キラを特定する方法を議論し始めた捜査員たちの中で、ナナは竜崎を見ていた。彼はじっとコーヒーの表面を見て、考え込んでいる様子だった。やがて――

「……佐藤さん」

「は、はい」

佐藤さんに、お願いがあります」


20160430